そういう風に聞こえるように言うから、そう答えるんだ

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はじめに

質問の仕方によって、自分がそう答えた理由が分からないことはありませんか?それは「プライミング」と呼ばれる現象で、私たちの回答や意思決定に大きな影響を与えることがあります。このブログ記事では、プライミングが回答や意思決定に与える影響を探ります。

プライミングの力

プライミングとは、刺激にさらされることが、意図や意識に関わらず、後続の刺激に影響を与える心理的なプロセスです。つまり、質問の仕方や提示されたものが回答に影響を与えることがあるということです。例えば、「1週間にテレビを何時間見ますか?」と聞かれた場合、同じ人でも「1日に何時間テレビを見ますか?」と聞かれた場合よりも、回答が低くなることがあります。これは、後者の質問が回答者に「1日ごとの活動」としてテレビ視聴を考えさせるように「プライム」したため、より低い見積もりになるためです。

意思決定に与える影響

プライミングの力は、私たちの意思決定にも及びます。心理学者のジョン・バーグとローレンス・ウィリアムズによる研究では、高齢者に関連する言葉でプライムした参加者をエレベーターに向かって歩かせたところ、プライムのないコントロールグループよりも歩行速度が著しく遅かったという結果が出ました。この研究は、プライミングが我々の行動に影響を与えることがあることを示しています。

プライミングを克服するには

プライミングの影響を完全に排除することはできませんが、影響を最小限にするために取ることができるステップがあります。ひとつは、プライミングの可能性について意識し、質問や刺激が回答にどのように影響を与えるかを積極的に考えることです。さらに、自分の意思決定や思考プロセスについて反省する時間を取ることで、判断に影響を与える可能性のあるバイアスを特定することができます。

まとめ

プライミングは、回答や意思決定に影響を与える強力な心理的プロセスです。プライミングの可能性を認識し、影響を最小限にするためのステップを取ることで、より情報豊富で偏りのない意思決定を行うことができます。次回、質問の仕方によって自分がそう答えた理由が分からない場合には、プライミングの影響について考えてみてください。